ローラコンベヤの選定

1,搬送物・使用環境

(1)搬送物条件の確認

  • 外形寸法 幅(W)×長さ(L)×高さ(H)
  • 流れ方向
  • 1個当たりの重量
  • 形状と材質 段ボール箱、プラスチックケース、木箱
  • 底面の状態 フラット、凸凹、突起物の有無、パレット搬送の場合のたわみ量。
  • 搬送物の量 コンベヤ上にどれくらいの搬送物が載るか。
  • 積込み方法 コンベヤ上にどのように載せるか。(ホイスト、クレーン、リフト、手で載せる)

(2)使用環境の確認

  • 温度 常温、低温、高温
  • 湿度、水気、ほこり

2,ローラ幅の選定

(1)ストレートコンベヤの場合

  • ローラ幅は搬送物の幅より50㎜以上で選定して下さい。
    W≧W1+50
  • 搬送物の幅がローラ幅以上にて搬送(オーバーハング搬送)の場合、底面がフラットで硬い場合は搬送可能です。
    ローラ幅目安は、搬送物幅の70~80%にて選定して下さい。

(2)カーブコンベヤの場合

①ストレートローラでカーブコンベヤの場合

  • 搬送物の幅、長さによりローラ幅は変わります。
    ストレートコンベヤの場合より、さらに搬送物の長さの15%を加えて下さい。
    W≧W1+50+0.15L

②テーパーローラコンベヤの場合

  • ストレートコンベヤの場合と同じ。
    W≧W1+50

(3)パレット搬送する場合

  • 重量物のパレット搬送をする場合、耐荷重の関係によりコンベヤは複列(2列、3列)で使用することを推奨します。

3,ローラ間隔(ピッチ)の選定

  • ローラピッチ(P)は搬送物の底面が常に4本以上で受けるように選定して下さい。
    P≦
    搬送物の長さ(L1)
    4
  • ローラ、フレーム加工精度及び搬送物の底面の状態により、搬送物の底面がローラに接触しない場合があります。
    ピッチの選定、ローラ強度の選定の際、ご注意下さい。

4,型式の選定

ローラ1本当たりに求められる強度は、搬送物の底面材質、積載時の衝撃荷重により異なります。

(1)ローラ1本にかかる荷重の計算

  • (A)搬送物の底面が硬く、変形しない場合(鉄、プラスチック等)
    ローラ1本にかかる荷重=
    搬送物1個の重量
    2
  • (B)搬送物の底面が柔らかい場合(木、段ボール、ゴム等)
    ローラ1本にかかる荷重=
    搬送物1個の重量
    (搬送物を受けるローラ本数)-1

(2)積載時の衝撃荷重

衝撃のある積込がある場合、ローラ1本にかかる荷重に下記の係数(N)をかけて下さい。

積込衝撃 衝撃の例 係数(N)
衝撃なし 搬送のみ 1
弱い ゆっくり手でおろす 1.5
やや強い フォークリフト 1.5~2
強い ホイスト、クレーン 2~3
肩の位置から落とすように積込む 3
  • (A)衝撃がローラ全体(4本以上のローラ)で均等の場合
    ローラ1本にかかる衝撃荷重=ローラ1本にかかる荷重×係数(N)
  • (B)衝撃がローラ1本のみに集中荷重の場合
    ローラ1本にかかる衝撃荷重=搬送物重量×係数(N)

(3)ローラコンベヤを2列で使用する場合

搬送物を支えるローラの数が増えるため、通常の1.5~1.8倍程度の搬送が可能となります。(重量物のパレット搬送等)

(4)ローラ 1本当たりの強度表

ローラ1本にかかる荷重の選定が終わりましたら、「ローラ単体仕様一覧表 ローラ1本の強度目安」または「ローラコンベヤ製品一覧表 特長・用途」を参考にご選定下さい。

5,スタンド取付間隔の設定

  • コンベヤにスタンドを取付ける場合、フレーム強度も考えなければなりません。
    ストレートコンベヤの場合は、1,500~2,000㎜間隔に1脚が目安です。

  • 搬送物の重量を1m当たりの重量に換算して、下記フレーム強度表より、型式・スタンド取付け間隔を選定してください。

■フレーム強度表

材質 フレーム仕様 脚取付けピッチ(P)
1,000㎜ 1,500㎜ 2,000㎜ 3,000㎜
スチール L20×15×t2.3 10 4
[30×15×t2.3 50 20
[40×30×t2.3 330 90 30
[60×30×t2.3 500 200 100 30
L60×30×t2.3 650 260 130 40
[90×30×t2.3 1100 500 250 70
[90×30×t3.2 1500 700 320 90
L90×30×t3.2 880 400 200 55
[90×30×t4.5 2000 900 420 120
[100×50×t5.0 4000 1200 600 150
[120×30×t3.2 1800 800 400 110
ステンレス L20×15×t2.0 8 3
[60×30×t2.0 450 180 90 27
[90×30×t2.0 990 450 230 60
[90×30×t3.0 1300 580 300 80
アルミ [30×15×t2.0 30 10
[60×30×t3.0 250 150 80 20
[63×25×t2.5/3.5 260 155 83 21
[90×30×t3.0 500 200 100 30
  • (注)
    1,上記の数値はフレーム1セット(2本)の1m当たりの等分負荷荷重における強度を表しております。
  • 2,フレームたわみ1/500を基準として算出。
  • 3,参考例として、フレーム[60×30×2.3t(スチール製)で、脚取付けピッチ2,000㎜の場合、100kg/mの数値は、機長2mのコンベヤ上に100kg×2m=200kgの等分負荷に耐えられます。
  • 4,ローラ・軸の重量は、含んでおりません。

6,自走勾配の選定

  • ローラコンベヤを傾斜させて設置すれば搬送物は自重によって動きます。この時の傾斜を自走勾配といいます。
    自走勾配の値は、搬送物の重量、底面状態、外気の温度、湿度で変化しますので正確な困難ですが、大体の目安として下記の表を参照してください。
  • 特殊な搬送物の場合、テスト確認が必要です。ご相談ください。
  • ベアリングの選定においても、自走勾配の値は変わります。ローラにおいて同じ外径、同じ軸径であれば勾配の値は、削り出しベアリング<プレスベアリング<規格ベアリングの順になります。

自走勾配目安表